1990年のカンヌ国際映画祭で鮮烈な印象を残してカメラ・ドールを受賞した青春ドラマの傑作。 ヴィターリー・カネフスキー監督が自らの少年時代を基に、荒れた炭鉱町に暮らす少年と少女の苛酷な運命をみずみずしく描き、抑え切れない才能を世界的に知らしめた。 何千人もの中から選ばれたパーヴェル・ナザーロフ演じる刹那(せつな)的に生きる主人公の、純粋すぎて痛々しい姿が胸を締め付ける。 第二次世界大戦が終わり、収容所地帯となったソ連の炭鉱町。 12歳の少年ワレルカ(パーヴェル・ナザーロフ)はガリーヤ(ディナーラ・ドルカーロワ)の協力で盗まれたスケート靴を取り返すが、いたずらがバレて学校を退学になる。 母親と愛人との関係や何もかもに嫌気が差したワレルカは、ほんの出来心から列車を転覆させてしまう。