「マルコヴィッチの穴」や「アダプテーション」などエキセントリックな作風で賞賛を集める脚本家チャーリー・カウフマンが初監督を務めたコメディ・ドラマ。 現実のニューヨークの中に、自分の頭の中のニューヨークを実体化させるという突飛な着想の舞台上演を実現させようと奔走する劇作家が、その過程で人生にとって大切なものは何かを模索していく姿を奇想天外な世界観で綴る。 主演は「カポーティ」のフィリップ・シーモア・ホフマン。 画家の妻アデルと娘オリーヴに囲まれニューヨークに暮らす劇作家ケイデン・コタード。 彼が手掛けた作品は一定の評価を受け順風満帆に思われたが、アデルは個性のない舞台演出を続ける覇気のない彼に失望し、ついにオリーヴを連れてベルリンへと去ってしまう。 劇場の受付嬢ヘイゼルを相手に孤独を紛らわすも、アデルへの未練から関係を進展できずじまいのケイデン。 だが、そんな冴えない彼にある日、転機が訪れる。 マッカーサー・フェロー賞(別名“天才賞”)を受賞したとの報せが舞い込んできたのだ。 すると、ケイデンは、その賞金全てを注ぎ込んだ突拍子な企画を思いつく。 それは、巨大な倉庫の中に、自分の頭の中にある“もうひとつのニューヨーク”を作り上げる、という壮大なプロジェクトだった。 やがて、集まった俳優たちに“舞台のニューヨークの中に自分の人生を構築し、再現せよ” と指示し、準備を進めていくケイデンだったが…。