「光の雨」「禅 ZEN」の高橋伴明監督が、死刑判決が確定している実在の事件を題材に、裁判員制度が導入された現在、人を裁くことの重みと難しさを改めて見つめた社会派ドラマ。 1966年の“袴田事件”で一審の死刑判決に関わり、その後2007年に“無罪と確信していた”と告白した元裁判官・熊本典道を主人公に、警察の捜査への疑問と典道が背負い込んだ苦悩を描き出す。 主演は「いけちゃんとぼく」の萩原聖人、共演に「松ヶ根乱射事件」の新井浩文。 昭和41年6月30日未明。 清水市の味噌工場で一家四人が刺殺される事件が発生、容疑者として元プロボクサーで工場従業員の袴田巌が逮捕される。 当初は犯行を否認していた巌だが、勾留期限3日前に一転自白し、起訴となる。 主任判事としてこの事件の裁判を担当することになった静岡地裁の熊本典道。供述調書を調べ始めた彼は、自白の信憑性に疑問を抱く。 また、物証に乏しく決め手に欠く裁判は長期化していく。そんな中、犯行からおよそ1年もたって突然、工場の味噌樽から血染めの犯行着衣が発見される。 典道はこの新証拠にも疑問を感じるが…。