宇江佐真理の同名時代小説を「ホノカアボーイ」の岡田将生と「百万円と苦虫女」の蒼井優主演で映画化。江戸時代の山あいの村を舞台に、ある事件が原因で深い山の中で野性的に育てられた奔放な少女と将軍の血を引く孤独な青年が繰り広げる身分を越えた純愛とその顛末を描く。 監督は「ヴァイブレータ」「余命1ヶ月の花嫁」の廣木隆一。 将軍家に生まれ、重い宿命を背負いながらも心に病を抱えて生きる孤独な若い殿様、清水斉道。 家臣・瀬田助次郎が語る“故郷の瀬田村には天狗がいる”という話に興味を持ち、静養のため瀬田村へと向かう。 道中、“天狗の棲む山”にさしかかると、家臣の制止を振り切り、ひとり山へと馬を走らせる斉道。そこで出会ったのは雷という山育ちの若い娘だった。 天狗の正体が雷と知り、そのことを助次郎に話したところ、助次郎は乳飲み子の頃に藩の政争に巻き込まれ掠われた妹の遊に違いないと確信する。 晴れて村に戻り斉道と再会する雷。身分がどういうものかも分からないことで殿様相手にも心の赴くままに接していく雷だったが…。