人気劇団の主宰に加え、作家としても活躍する本谷有希子の同名舞台を「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」に続いて映画化。 古びた平屋の集合住宅を舞台に、奇想天外なシチュエーションの下、男女4人の歪んだ愛と欲望が織りなす滑稽にして切ない人間模様が辛辣なブラック・ユーモアとともに濃密なタッチで綴られる。 主演は「ヴィヨンの妻」の浅野忠信と「逃亡くそたわけ-21才の夏」の美波、共演に小池栄子、山田孝之。 監督は「パビリオン山椒魚」「パンドラの匣」の冨永昌敬。 木造の平屋建てが並ぶ市営住宅。 そこに暮らす一組の奇妙な男女。 黒ぶちメガネにスウェット上下の奈々瀬は、いつも他人の機嫌を気にして愛想笑いを浮かべてはオドオド生きるめんどくさい女。 兄でもない同居の男・英則をなぜか“お兄ちゃん”と呼んでいた。一方、その英則は、天井裏に潜んでは奈々瀬を覗き見る行為を繰り返していた。 そんなある日、近所に番上と妊娠中の妻、あずさが引っ越してくる。なんとあずさは奈々瀬の高校時代の同級生。しかも、奈々瀬に対して特別の嫌悪と憎しみを抱いていた。 そんな番上夫妻の出現で、奈々瀬と英則の異様な関係が少しずつ明らかとなっていくとともに、その関係に微妙な変化が生じ始め…。