かつてステージ・デビューを目前にしたジャズ・マンが、ハンセン病によるいわれなき差別に苦しみ、50余年の歳月を経てようやくやり残した夢と向き合い、出会ったばかりの孫と共にかつての仲間を訪ねる旅に出る姿を描くヒューマン・ドラマ。 主演は「シュアリー・サムデイ」の鈴木亮平とベテラン、財津一郎。監督は「0(ゼロ)からの風」の塩屋俊。 大学生の貴島大翔は、ある日父から、亡くなったと伝えられていた祖父・健三郎が家に戻ってくると告げられる。 彼はハンセン病のために療養施設に隔離され、以来50年以上もの間そこでの生活を余儀なくされてきたのだった。頑固で偏屈な祖父を前に、戸惑いを隠せない大翔だったが、健三郎がLP1枚を出して姿を消した幻のジャズ・バンドのトランペッターと知り驚く。 そんな矢先、健三郎は突然家を出て行ってしまう。彼は、自分の発病で夢だったステージ・デビューを棒に振ってしまったかつてのバンド・メンバーたちのもとへ向かおうとしていた。 慌てて後を追い、渋々ながらも旅に同行する大翔だったが、やがて、祖父がこの最後の旅に託した秘めたる強い想いを知ることになる。