「ピアニスト」「隠された記憶」の鬼才ミヒャエル・ハネケ監督が、ナチス台頭の時代の大人たちが子どもだった頃の北ドイツの田舎町を舞台に、人間の心の闇を痛烈に描き出すミステリー・ドラマ。 敬虔な村人が暮らす田舎町で次々と巻き起こる悪意に満ちた不可解な事件と、それによってあぶり出される村人たちの不穏な素顔を、全編美しいモノクロ映像で綴ってゆく。 2009年のカンヌ国際映画祭ではみごと最高賞のパルム・ドールを受賞。 第一次世界大戦前夜、北ドイツの小さな田舎町。 地主である男爵が支配するこの町で、ある日、帰宅途中のドクターが落馬して大けがを負う。道に張られていた細い針金が原因だった。 その次には、男爵の製材所で女性の事故死が発生する。 さらに、男爵のキャベツ畑が荒らされ、挙げ句に男爵の息子が行方不明になる。 犯人がわからぬまま、敬虔な村人たちの間に不安と不信が拡がり、次第に村は重苦しく張り詰めた空気に覆われていく。