『バベルの塔』『雪の中の狩人』など寓話や農民の風俗を主題にした作品で知られる16世紀フランドル絵画の巨匠ピーテル・ブリューゲルの代表作の一つ『十字架を担うキリスト』を題材に、その絵画空間を映画の中に完全再現し、名画に秘められた謎を解き明かしていく異色のアート・ムービー。 出演はルトガー・ハウアー、シャーロット・ランプリング、マイケル・ヨーク。 監督は「バスキア」の原案などで知られるレフ・マイェフスキ。 16世紀のフランドル地方。農村の一日が始まる。 画家のブリューゲルは、友人であり収集家のヨンゲリンクから、異端者を迫害する支配者の横暴を主題とする作品を求められる。 それに応えるブリューゲル。やがて風車は動きを止め、いつしかフランドルの風景の中に、十字架を背負わされたキリストや我が子の運命を嘆く聖母マリアの姿が現われる。