原題の『朝、摂氏37度』とは女性が最も妊娠しやすい体温のことを言うらしい。 その鮮烈な映像で口コミで公開時よりビデオや名画座上映で熱狂的信奉者を生んだ作品。 海沿いのバンガローで小説を書きながら塗装業をしている青年ゾーグは、風来坊のセクシーな少女ベティ・ブルーと同棲、激しい肉欲に耽る。 金に困り女装して強盗に入ったりも妊娠した彼女のため。 やがて、静かな田舎町に越し、知人の手放したピアノ店を営むが、ほぼ開店休業状態で、彼は再び働きに出る。 しかし、流産した彼女は精神に異常をきたし、一時も彼なしではいられない不安を自分の肉体に刻みつけ、やがて……。 完全版に較べ、ゾーグの出番が少なく、激情の女ベティの突出したキャラクターが際立って、多くの(マゾ気質の)男性ファンの支持を集めたが、これが「インテグラル」を見ると変わっているのである……。 2012年7月、<製作25周年記念 ジャン=ジャック・ベネックス監督監修デジタル・リマスター版>によるリバイバル上映が実現。