モラル無き狂気の犯罪者の姿を、ドキュメタリー映画の撮影隊が追うスタイルを取った、ベルギー発の異色のバイオレンス・モキュメンタリー。 無名の3人の若者が自分たちで製作会社を設立し、全ての製作工程を分担・協力(出演も兼ねる)して作り上げている。 鮮烈な描写により数々の映画祭でセンセーションを呼び、そのリアリティから“これは本物の殺人現場を撮ったのではないか”とまで言われた。 金と快楽のために平然と人を殺し、物を盗み、女を犯すベン。 そんなベンの生き様をドキュメタリーにしようと3人の映画クルーが密着して撮影を続けている。 法を逸脱することに何の抵抗も無いベンは、ある意味狂気を湛えているが、一方で哲学を語り、詩を詠み、ピアノを嗜む。 そのカリスマ的な魅力に抗しきれない撮影クルーは次第に暴力に麻痺していき、記録する側から一線を踏み越えて行く……。