「夜よ、こんにちは」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」のイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ監督が、イタリアで国論を二分する論争を巻き起こした実在の尊厳死問題を背景に、生と死を巡る3つの物語を綴るヒューマン・ドラマ。 出演はトニ・セルヴィッロ、イザベル・ユペール、アルバ・ロルヴァケル、マヤ・サンサ。 2009年、イタリア。21歳で交通事故に遭い、以来17年間植物状態のままの女性エルアーナ・エングラーロ。 延命措置の停止を求める両親は、長い法廷闘争の末、ようやくその訴えを認められる。しかしカトリック信者を中心に、この判決への反発は高まり、彼女の延命措置の停止を受け入れる病院はなかなか見つからない。 その一方で、議会では判決を無効にする緊急法案の審議が始まり、イタリア全土が騒然としていた。 <第一の物語>議員のウリアーノはこの法案の賛成派に属していたが、彼自身は賛成票を投じるか悩んでいた。 なぜなら彼もまた、かつて妻の延命措置の停止を決断した過去があったのだ。以来、娘のマリアは父に対して距離を置くようになっていた。 <第二の物語>医師のパッリドは、病院で自殺願望のある女ロッサと出会う。 パッリドの目の前で手首を切った彼女は、一命は取り留めたものの、昏睡状態のまま意識が戻らない。そんな彼女をなぜか放っておけないパッリドだったが…。 <第三の物語>植物状態の娘ローザを看病するため、輝かしいキャリアを投げうった元女優。 女優としての母を尊敬していた俳優志望の息子フェデリコは、娘に全てを捧げようとする母のことが許せず、不満を募らせるが…。